くだいた後に思った。 ああ、あたしがすきなのはいちごみるくキャンディではなく いちごキャンディなのだと。 誰かが言ったいちご味の食品は食べられない。と云う言葉が 脳の中でぐるぐるめぐる。 1、2、3、4、いちにのさん、1、2、3、4、いちにのさん。 一定のリズムのまま、いちごが踊る。 いちご色にそまった(染まった)紙が明日のあたしたち を 写し出す。 さらさらとえんぴつで描かれていくそれはいつものように 泣いている彼、呆れるあたし。 だったら、どれほど幸福だったろう。 ミルクが紙を白紙に戻していく。いちごは居場所をなくし、 結局あたしの口へと飛び込んだ。 くだかれた後に思った。 「「「ああ、僕らは結局、思い出にすがってるだけだ!」 生産責任者と印刷されている森田さんと篠原さんに めいっぱいの謝罪と一握りの感謝を。 2006-11-07